裏うぉっちング!!!

理屈っぽいです

「ガルパンはいいぞ」は何がいいのか 「CONTINUE」感想

太田出版のゲーム雑誌「CONTINUE」が7年ぶりに復活しました。

先日発売された「CONTINUE SPECIAL」を早速買ったわけですが、これがもうめちゃくちゃ良かったです。特集対象がいい。

など。どれも初心者からマニアまで納得の読み応えがありました。取材の気合いの入れようがすごい。

CONTINUE SPECIAL ガールズ&パンツァー

CONTINUE SPECIAL ガールズ&パンツァー

 

 全50Pで特集されたガルパンは、エンタメの視点に焦点を絞り、関係者などにインタビュー。水島監督こそいませんでしたが、杉山潔P、脚本の吉田玲子さん、ガルパン大好きな漫画家田中圭一先生、推理小説家の芦辺拓先生、極音上映の立川シネマの中の人など、いろんなジャンルのガルパン好きに話を聞いています。

 

この特集何がいいかというと、

ガルパンはいいぞ

の具体的内容がいろいろな人の視点語られているところです。

 

このワードが広がりすぎて、結局ガルパンの何がいいの?という部分は未視聴の人にはイマイチ伝わっていなかったりします。私自身も、劇場版を見て「ガルパンはいいぞ」となりましたが、ガルパンを知らない人にその魅力をうまく説明できません。

 

特集内でなるほどと思ったのは以下のような箇所。

 

ガルパンはスポーツ青春もの

ガルパンは王道スポ根漫画だ」と力説のは田中圭一先生(水島監督が根性論嫌いなので、途中でスポーツ青春ものと訂正される場面も)。

名門校から戦車道のない学校に主人公が転校してきて、キャプテンとして初心者チームをまとめていく──という様子をちばあきお「キャプテン」になぞらえ、「各国代表チームの分かりやすさ」を「リングにかけろ」に例える田中先生。

 

ガルパンの魅力は、戦車や作戦のディテールなどのミリタリー要素のきめ細やかさ、キャラのかわいさ、友情・努力・成長を描く王道ストーリーなどいろいろありますが、悪いやつがいなくて、いろいろな葛藤もありつつ勝利至上主義ではない戦車道のあり方を見つけていく主人公たちの成長は見ていて気持ちがいいです。

 

「戦争」というシリアスなテーマを扱いながらも、誰かが重傷を負ったり、死んだりなどのシーンはないので安心感があります。芦辺先生いわく「うその付き方が非常に潔い」。「戦車道は、戦争を超えた世界」「剣道が楽しくみられるのは剣の切り合いがないってことと同じで…」という解釈はなるほどなーと。確かに戦車が軽自動車なみのスピードでびゅんびゅん走る「戦争チャンバラ」ができる世界がここまで受け入れられたのはすごいことかもしれません。

ガルパンはミュージカル

立川シネマシティの遠山さんは「ガルパンはミュージカル」と表現。メインは戦車戦なので、ストーリーやキャラクターをステレオタイプにすることでまわりくどい説明を切っていると。これは音楽を聴かせるためにあるミュージカルだ!という持論です。

そして、ガルパンのロングランをこう鋭く分析します。エンタメには精神的快楽と身体的快楽の2つがあると。

 

・精神的エンタメ→物語を追う(リピートしにくい)

・身体的エンタメ→音楽やアクションシーン(リピートしやすい)

 

17年間ロングランする「ライオンキング」など、身体的快楽のあるエンタメは寿命が長い。ミュージカルはリピート性が高く、普段イヤフォンで音楽を聴くときだって何回も聴ける。

一方の映画や小説などは精神的快楽の要素が大きく、何度も見るのが難しい。でも、ガルパンやマッドマックスなどは身体的快楽が大きいので「何度も見れる」のでリピート性が高いと。確かにガルパンは中毒性が高い。

 

西住みほの魅力

漫画家の幸宮チノさんは女性の視点から主人公西住みほの魅力を語ります。「ジブリヒロインに通じるものがある」「女の子らしいのに、機転もきいて女の子が憧れる女の子」と評していますが、確かにみほは程よい高スぺ感があって応援したくなるんですよね。

そして知恵と勇気でライバル校に向かっていく姿…知恵と勇気で勝ち残る…メダロットですね。ガルパンメダロット(?)。

 

 

FF14吉田Pロングインタビューやねほぱほも

各メディアで取材されている吉Pの2万字インタビュー。やり手の保険セールスウーマンだった母親の影響が今の仕事観につながっているなど、FF14の立て直しのみならず彼の生い立ち全般に迫るような内容で読み応えがありました。

 

NHKねほりんぱほりん」特集は、人形操演者や大古Pなどに取材。今話題の攻めてる番組ですが、最近読んだねほぱほ本も面白かったです。ベースにEテレの青少年ドキュメンタリーの手法がありつつも、もぐらやぶたの人形がそれを演じることで、生々しいぎりぎりトークがマイルドに中和されていく。取材もリハも収録もめちゃくちゃ時間をかけていて、やっぱりテレビは時間やカネの掛け方の規模が違うなと…。

 

ねほりんぱほりん ニンゲンだもの

ねほりんぱほりん ニンゲンだもの

 

 

星のカービィもこれまでの歴史を振り返りつつ、さまざまなシリーズの開発者たちに話を聞いています。個人的にはドンピシャ世代であるSFCの「スーパーデラックス」の話を手厚く聞きたかった気持ちもありつつ…。

 

個人的に興味のある特集が多かったので、今年買った本でもかなり満足度高めでした。