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裏うぉっちング!!!

オタク、サブカルなどの理屈っぽい話はこちらで。

羽山ならずとも紗南ちゃんにグッと来る、原作ファンも大満足の舞台「こどものおもちゃ」を語りたい

りぼん60周年記念公演として、人気作「こどものおもちゃ」が舞台化した。少女漫画の中では「ふしぎ遊戯」と並んで1、2を争うほど好きな作品なので迷わずチケットを購入。実は初舞台だったので、あの原作・アニメのコミカルでハイテンションなノリを生身の人間が再現すると違和感があるのではと不安があったけれど、実際はまったく違和感なく舞台特有の世界にすんなり入り込めた。

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今回の舞台はWキャストで見に行ったのは、ばびっと組の公演。倉田紗南役を小椋梨央さん、羽山秋人役を相澤侑我くんが務める。脚本・演出は信頼の安心感・安定感をお届けするアニメ版監督の大地丙太郎氏。観客は20代~40代が多く、9割が女性。小さい子供もちらほらいたけど、親に原作訓練されてから来たのだろうか。

 

2時間で原作の序盤(先生たちのチチクリ写真をネタに学校で暴れる不良少年秋人→スッポン写真撮られておとなしくなる→紗南のおかげで秋人が家族と和解→紗南ママが紗南と自身の暴露本出版→紗南の生みの親と再会)を無理なく凝縮していて、同時に2つのシーンを見せる舞台ならではの演出も。

 

リアル紗南ちゃん登場

紗南ちゃんは本当に原作・アニメからそのまま飛び出てきたようで、元気に明るく、舞台上を縦横無尽にしゃべって踊って動き回る。こまわりステップやピコピコハンマーなども健在。2次元でもテンション高すぎてついていけないところがあるけど、3次元でそれを再現しても痛々しさやきつさをほとんど感じさせない自然な紗南ちゃんだった。

 

クールな羽山もハマっていたが、ふてくされた顔をしないといけないシーンでちょっと笑ってしまうなど少し子供らしい幼さも垣間見えた。そういうのが見えるのも一発本番の舞台ならではですが。紗南の掛け合いも息ピッタリで、スッポン写真、公園のシーン、落ち込む紗南にデリカシーのない言葉をかけるシーン、社会見学中に紗南にキスするシーン、サム発言に羽山が吹き出すシーン(まさかのサムも登場します)など、おおむね原作をなぞってストーリーが展開される(順序は多少前後する)。ちなみにスッポン写真はパンツも脱がせるけど、羽山は肌色のストッキングをはいている。

 

羽山のトゲトゲが抜けていく公園のシーン

こどちゃの中で一番の名シーン(だと個人的に思う)公園のシーンが見れたのは大満足。これは自分を生んだせいで母親が死んだと姉に恨まれて家族と不仲になっている羽山を紗南がなぐさめるシーン。膝枕中に「あーちゃん、ママはね。あーちゃんのこと愛してるから、がんばって生んだのよ」と一言(原作では木の枝で耳掃除をする)。原作では羽山の家庭環境にシンクロした紗南のドラマを羽山一家がテレビ見て、羽山一家のトゲトゲした心が少しずつほんわりしてくる涙なくして見られない場面だ。

このとき羽山はまだ紗南が捨て子だという事実を知らない。こどちゃは後半に進むとさらにハードでシリアスな展開が待っているけれど、やはり序盤のこのシーンが一番見どころだと思う。というのも、紗南のこのセリフは子供だとそもそも敏感に気付くことのできないものだし、大人だと相手が持つ寂しさに気付けてもこうしたセリフはなかなか口をついて出ないはずだから。子役として他の子よりちょっぴり早く社会に出て、子供の素直さ・無邪気さも併せ持つ紗南だからこそ言えるセリフなのだ、ということですごく深いシーンだと思う。羽山ならずともグッと来ます。

 

三石琴乃さんの紗南ママがマジでママ

会場でひときわ笑いを誘ったのが、ヒモ兼マネージャーの玲くん(イケメンです)、クラスメートの剛(原作より小物感3割増しの演出)、羽山父と紗南ママ(これも原作まんまのハマり役)などの個性が強烈なキャラクターたち。ほかにもクラスメート男女、先生たち、羽山姉、アニメで小六隊が歌った劇中歌をライブで披露する男性アイドルグループ「CHaCK-UP」など、舞台上は情報量過多で2時間がひたすらに充実している。

 

玲くんは紗南並に登場シーンやセリフが多く、体を張って笑いを誘い、剛も報われない全力の健気さが非常にシュール。羽山父は原作と同じく独特の空気と間が特徴。個人的にどんな演技をするのだろうと気になっていた三石琴乃さんの紗南ママはとにかく「マジ紗南ママ」でした。セーラームーン感はまったくない、コミカルな変人奇人ママのママです。頭にリスの家を付けてキックボードで担当編集から逃げる姿は舞台上でしか見られないかと…。大地監督とは「おじゃる丸」でもご一緒しているようで。余談だけど「烈火の炎」の影炎も三石さんだった…。

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初舞台は大満足だったけど、展開がめまぐるしいので、舞台って相当原作好きかキャストファンじゃないと楽しめないメディアなのではないかと思った次第であります。