裏うぉっちング!!!

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読みたい本がないなら「野崎まど」作品を作者買いすればいいと思う

かなり久々の更新。

たまーにゆるゆると書いていきたい。 

 

Kindleを入手してからというもの、まぁ紙の本は一切買わなくなった。外出するときも荷物が端末1つで済むのはありがたいけど、西尾維新の小説など有名どころでも電子書籍化されてない作品があったりするので、「物語」シリーズは紙を買わないといけないのかなぁとも思っている。

 

あと、やっぱりKindleだと明確に「この本が読みたい」という意思がないと、本を探すのが難しい。リアル書店みたいに、偶然面白そうな本に出会う、みたいなことは小さな画面の中では起きにくい。

 

じゃあ、結局何を買えばいいのよ?という人におすすめしたいのが、「野崎まど」の作品群。私も知人におすすめされて読んだが、独特のシュールな語り口にハマってしまい、今でも「作者買い」を継続している。ちょっと飛んでるギャグから本格的なSF作品まで、レパートリーも幅広いのでメリハリもある。

 

以下、特におすすめな作品。

紙を使って悪ふざけ(いい意味で)しすぎな短編集

独創短編シリーズ 野﨑まど劇場 (電撃文庫)

 これ、最初の作品でいきなり度肝を抜かれた。というか、読んだ瞬間「ふぁっ?!」となるやつ。あと、電車の中とか出先とかでなんとなく読んでても思わず笑ってしまったり、「くっだらねえ!」と何度も楽しく叫んじゃうやつ。いい意味で、紙を使って悪ふざけしまくっているという印象で、ネットのAAみたいに本来の文字や記号が持つ意味を無視して「絵で遊ぶ」を紙でやってしまっている。登場人物もキャラがたっていて、口調もセリフも独特。とにかく、作者の笑いとセンスが合う人はどの作品も面白く読めると思う。

私のおすすめはMST48。「MST(密室)48」というアイドルグループが織りなす新感覚密室群像劇だ。この説明だけでやばい。パロディセンスもさることながら、「人間の狂気が持つおかしみ」を面白おかしく描く能力が高いので、謎の高尚さがある。人間観察が好きという人は多いけど、観察したものを的確に(しかも面白く)描ける人はなかなかいないと思う。こんなのアリなのか?という体験をしたい人はぜひ。

ほのぼのした青春ラブコメ読んでたはずなのに…

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

かわいい女性キャラクターの表紙が特徴的な「[映]アムリタ」は、憧れの美人な先輩たちと映画を作るという大学生たちのキャッキャウフフな青春ラブコメ

のはずだった。

キャラたちが自由にしゃべくりまくるラノベのような美少女ゲーのようなノリはありつつ、話の展開は段々ミステリーというかホラーのようなものに。「世にも奇妙な物語」とか、「ストーリーランド」(懐かしい)とかに近く、最後の最後でどんでん返しがあって不思議な気持ちにさせられます。そういう意味で、あっというような驚きがほしい人にはいいかも。SFチックな要素も入っている。というか、しっかりしたSFを書く人なので、ほかの話も基本的にSFの要素が含まれている。

そう遠くない将来をほうふつとさせる、説得力ありげなSF

know

SF作品は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に始まり、伊藤計劃など割とスタンダードなものを読んできたが、野崎まどのギャグ短編集を読んだあとにこの「know」を読んだらちょっと面食らった。本格的なSFも書けるのか、いや、むしろこっちの方が面白いのでは…と。

舞台は2081年の京都。人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された世界で、電子葉の使い方でリテラシーが決められる。今はネットの検索の上手・下手でリテラシー分水嶺があるけれど、PCやらスマホやらといったインターフェースが電子葉に取って代わったと考えればいい。でも、技術が進化していって、検索の技術、速度、精度に差がなくなっていくと、情報格差というのはどうなるのか。そんなリアリティのある身近な問題が、魅力的なキャラとともに描かれている。

情報格差の問題はいつまでもなくならないと思うけど、それが限りなく縮まっていく日が来るのだろうか。